トルコ大統領選挙を前にトルコリラ円とスワップについて考えてみる

2018年6月24日にトルコ大統領選挙があります。この選挙結果でトルコ経済ひいてはトルコリラ円の行く末が大きく変わるのではないかと思っています。
今の所ドル円のトレードに集中していたのでトルコリラ円のトレードは考えてはいなかったのですが最近私の周りの人や動画・SNSなんかでトルコリラ円のスワップをやる人が多くて少し気にはなってたのでトルコリラ円のスワップ生活について考えてみようと思います。
ポジションから損益を考える
スワップ生活をしようと思うと長期的にポジションを保有しないといけませんよね。資金力にもよりますが個人的感想で3ヶ月以上のポジション保有がないとスワップのうまみがないように感じます。仮に今年の1月1日から5月31日まで1万通貨のポジションを保有したときにどれだけの損益となるのかを考えてみましょう。
スワップは変動するので正確な損益ではないのですが、仮にヒロセ通商でトルコリラ円を1万通貨で長期保有したときにどのような損益になるのでしょうか?
6月14日のスワップポイントで計算してみたいと思います。
期間 | 1月1日〜5月31日 |
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買いスワップポイント | 95円/日 |
売りスワップポイント | -180円/日 |
為替レート始値 | 30.00円 |
為替レート終値 | 24.00円 |
ロングポジション保有の場合
ポジション損益 | -60,000円 |
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スワップ損益 | 14,250円 |
決済損益 | -45,750円 |
ショートポジション保有の場合
ポジション損益 | 60,000円 |
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スワップ損益 | -27,000円 |
決済損益 | 43,000円 |
ふむ。全然うまみがない、、、(´・ω・`)
現状だとやればれるほど損するしかない感じですね。平均すると1ヶ月に1.2円ほど下落しているので買いだと毎月3000円ほどの金利を受け取りながらも12000円ほど損失をだしているわけで、買いポジションはかなり危険だと言えますね。逆に売りポジションはスワップで大きく損をしていてもトータルとしては大きな利益となっています。
しかし、じゃあ売りポジションで入ればいいじゃんとなりそうですがここまで下落が続くと「今ポジションを持つと底を掴んでしまうかも」との不安から心理的に売りポジションは保有出来ないと思います。逆にここが底だとみてスワップのうまみも加味して買いポジションで入る人の方が多いのではと思います。結果としては見事に損失をだす事になるのですが、、、
結論としては「スワップ目当てでトルコリラ円はやらない」が正解ですね。
まあそれだとここで話が終わってしまうのであくまで「損失なくスワップで利益を出したい」ためにはどの様な戦略でトレードすれば良いのかを考えてみたいと思います。
もしスワップで利益を出そうと思うのなら買いポジションに入る時期と為替レートの位置が重要になってくると思います。特に今はトルコリラ円は下落し続けているのでポジションを持つならトルコ大統領選挙後の6月25日以降が良いでしょう。しかも選挙結果や以降の見通しをしっかりと確認した上でやるかやめるかを考えた方が良いと思いますね。
なのでトルコ大統領選挙について少しだけ調べてみました。
トルコ大統領選挙の候補者
大統領選挙の候補者は現職のエルドアン大統領を含め6人の候補者がいるようです。
(順不同、敬称略)
レジェプ・ターイプ・エルドアン
・公正発展党(AKP)と民族主義者行動党(MHP)の合同候補
ムハッレム・インジェ
・共和人民党(CHP)の候補
メラル・アクシェネル
・いい政党党首
セラハッティン・デミルタシュ
・国民の民主主義党(HDP)の候補
テメル・カラモッラオール
・幸福党党首
ドウ・ぺリンチェキ
・愛国党党首
投票で過半数以上を集めれば当選、過半数割れの場合は上位2候補による7月8日の決選投票となるようですね。
選挙の行方を考える
現在のトルコ大統領選挙までの状況としてはどんな感じなのか色々と調べてみました。以下の記事内容から考察してみたいと思います。
トルコの大統領選と総選挙が24日に実施される。大統領選には6人が立候補しており、うちイスラム系与党・公正発展党(AKP)の現職、エルドアン氏が優勢に選挙戦を進めている。トルコでは昨年4月の国民投票で憲法改正が承認され、今回の選挙後に1923年の建国以来続いてきた議院内閣制から、権限が拡大された大統領制に移行するため、トルコ政治の大きな転換点となる。
エルドアン氏は4月、2019年11月予定のダブル選を今年6月に前倒しすると発表した。財政出動による景気対策の限界を見越し、経済が悪化する前に選挙を済ませておきたいという思惑があったとみられる。
このためエルドアン氏は経済成長の継続を強調。また16年7月に失敗したクーデター後から延長され続けている非常事態宣言を、選挙後に解除することを示唆するなど、強権体質のイメージを薄めようとし、支持固めに躍起だ。
各種世論調査では、エルドアン氏が50%前後、インジェ氏が20~30%台前半、アクシェネル氏が10~15%、デミルタシュ氏が10%前後。決選投票となれば、野党共闘が実現するとの見方もある。
引用元:朝日新聞
今回の大統領選挙後に大統領の権限が強まるのですね。なのでトルコの景気が悪化して現政府の政策への不安から支持率が低下してきた現職のエルドアン大統領は支持率が落ちきる前に前倒しで選挙を行って再選した後にじっくりと政権を固めつつ政策を行いたいといったところでしょうか。
現状ではエルドアン大統領の世論調査で50%前後ということは、
・どの候補者が大統領になるかではなくエルドアン大統領が50%以上の票を集めて再選できるかどうか。
・決選投票になった場合に野党が共闘してエルドアン大統領に対抗できるかどうか。
がポイントになる感じですね。
仮にエルドアン大統領が再選してしまえば少なくともしばらくは現状維持となってトルコリラ円もこのままずるずると下がり続け、野党の候補者が大統領になった場合は今後の政策と実行力にもよるかも知れませんが最初のうちは新政権に対する期待でトルコリラ円が上る可能性がでてくるのではと考えています。また決選投票となると対抗馬はインジェ氏となる可能性が高いのでインジェ氏がどの様な政策を掲げているのか、またインジェ氏が所属する共和人民党とはどのような政党なのかも吟味した方が良いですね。
突き詰めて考えていけばもっと色々な要素があって単純な話ではないと思いますが今の所自分が考察できるのはここまでですね。。。
(´-﹏-`;)
まとめ
こうしてみるとスワップ生活を始めるなら大統領選挙翌日の6月25日が良いのかなと思いましたがエルドアン大統領の再選ならトルコリラ円下落が続きそうですし、その他の候補者になるなら7月8日に決まる可能性が高いのでそこまで待ってからエントリした方が良い気がします。
為替レートから考えた場合、現在底が見えない状態でまだまだ下げ止まらない気がしますね。このままいけば20円を割る可能性もありますし、最悪ずるずると下落し続けて10円すら割る事も十分に考えられると思います。
こうした事からトルコリラ円スワップ生活を始める条件として、
・エルドアン大統領再選ならやらない。
→現状と変わらないのでリスクが高すぎる。
・もしスワップ生活をやるなら7月8日まで待つ。
→エルドアン大統領以外なら決選投票まで行く可能性が高いので。
・当選した人物と政党に対する情報収集を行い、政策が市場で好感が持たれているのかどうかをしっかり確認する。
→結局ファンダメンタル的に上向きにならないとリスクが高いまま。エルドアン大統領よりも悪くなる可能性もあるので。
・トルコリラ円が下げ止まったと思えるシグナルをしっかりと見つけてからエントリする。
→上昇トレンドへ転換してからだと遅すぎるので少なくとも下降トレンドが止まったかどうかをしっかりと確認してからエントリしたい。
・資金と取引量は10万円で1万通貨で様子をみる。
→長期的に上向いていけばピラミッディングでエントリする戦略を考えても良いと思うので、とりあえず最初はリスクを最小限にしてエントリしたい。
あたりかなと考えています。
もしトレードするならまた記事に書いて報告していきたいと思います。